抗力は泳ぐ人にどう影響?

スイミング:大人の水泳科学

泳ぐ時にはどのような水の抵抗をうけるのか?

まず物質が水のような粘性や圧縮性のある流体の中を通過する時、必ず抵抗が発生する。この抵抗が抗力と呼ばれる。

物質が流体の粒子を引きずりながら進む時に生まれる力であります。

体に加えられるこの抗力は、泳ぐ速度を遅くし、体力の消耗になるので、きるだけ抗力・・水に対して抵抗のないフォームを作る必要があります。

抗力の大きさは一連の変数で決まるわけですが、流体の密度が高いほどに抗力が大きくなる。

海水と淡水で、泳ぎやすさが違うのはこれも要因の一つ

水は空気に比べ、800倍密度が高い。当然に水泳は陸上の競技よりはるかに大きな抵抗の影響を受ける。また、体の表面も抗力に関係してる。水に対し、体が大きく水に触る面積が広いと抗力は大ききなる。そして泳ぐ速度が上がるほどに、抵抗も強くなる。

抗力は3つの要素に分けられます  皮膚摩擦抵抗、圧力抵抗(形状抵抗)、造波抵抗。

皮膚摩擦抵抗は水の粘性と体の表面が影響しあって生じる。体の表面と接した水の層は、そこにへばり付き、体と同じ速度で引っ張られる。よって相対速度はゼロになる。この層を鏡界層と呼ばれている。     これよりもひとつ外側の水の層は境界層によって体から隔てられている、離れていることによって減速する。同じように体から離れるにしたがって、水の層のスピードは遅くなる。皮膚摩擦抵抗は大きいほど、引っ張られる(体の後ろにゆらめく)水の量は多くなる。

圧力抵抗は体の前端と後端の圧力の差に関係する。前端では、圧力が高く、流体の粒子が圧縮される。

粒子は体の周りを流れて、やがては境界層の剥離点に達して、体から離れる。そこからは流れが反転し渦や低圧域が発生する。前端と後端の圧力の差により流体の粒子は体の前端から後端まで「押し戻される」ように流れていく。これが泳ぎの進行方向と逆に働く圧力抵抗になる。

造波抵抗は、泳ぐ時に水を進路から押しのけるのに必要なエネルギーを反映したものです。

体が前進するにつれて、体の前で流体が押し重なる(指、手、腕辺りが水に挟まれたような?)、後ろは空(抵抗のあとの渦)になることで波が発生する。この造波作用は二つの理由で泳ぎの効率を悪くするものであります。

一つは前に進むために使えたはずのエネルギーが奪われてしまう。

二つにはプールの壁から跳ね返ってきた波が前進するエネルギーを奪いスイマーのタイムが落ちる

上記の図では泳ぐ速度が上がるにつれて抗力が上がりそれぞれの抵抗も増加するというものを表したもの、泳ぐスピードが上がるほどに優れた技術が必要になります

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